円錐角膜を患った経験からの思い
私がこの社団法人の活動に関わりたいと強く思うようになった原点は、私自身が円錐角膜を患った経験にあります。
発症を認識したのは2003年、当時は金融の仕事で米国に駐在していました。日々エクセルで数字と格闘する中、ある日突然、画面上の数値がぼやけて見えることに気づきました。片目ずつ確認すると、左目だけ「2」「3」「6」「8」などの区別がつかず、どれだけ画面に近づいてもぼやけてしまう――あの時の衝撃はいまでも忘れられません。
父も同じ病を患っていたため、遺伝の可能性は頭の片隅にありましたが、まさか自分に降りかかるとは想像していませんでした。
その後現地で角膜移植手術を受け、医師の皆さまの尽力により、今はおかげさまで概ね良好な生活を送ることができています。移植手術を担当してくださった先生方、そしてフォローアップを続けてくださった眼科医の皆さまには、感謝の気持ちでいっぱいです。
フォローアップの診断の中で「角膜クロスリンキング」という科学的に効果が証明された治療法を知りました。そして驚くことに、その第一人者が、私が登壇している経営大学院の仲間である加藤直子先生だったのです。このご縁をきっかけに、私はこの活動に関わるようになりました。
医療の専門家ではありませんが、どんな病気も早期発見が何よりも重要だと感じています。特に円錐角膜のような進行性疾患では、いち早く適切な処置を受けることが、未来を大きく左右します。
この財団の活動を通じて、未来ある子どもたちが角膜クロスリンキングという有効な治療法に出会い、光を取り戻す機会が広がることを心から願っています。
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